小俣光之:オーディオ:スピーカーのページ
最近、スピーカーを作りました。高校生のころにも20cm2発入りのバックロードホーンを作ったことがあるのですが、あまりに大きくて大学の時に友人にあげてしまいました。その後、BOSEの小さなスピーカーでずっと我慢していたのですが、やっと作ることが出来ました。今回はもう少し小さくしようと思い、20cm1発+ホーントゥイーターで作りました。尊敬する長岡鉄男先生設計のD−50を作りはじめたのですが、実は板を15mmと思って買ってきたら18mmで、やっとの思いで箱にくみ上げました。本当はきれいに作る予定でしたが、板のそりがひどく、結局釘をかなり使い、それでも何とか前面だけは突板をはったりしてきれいになりつつあります。左の写真は完成間近のものです。作ってみると意外にも大きく、しかも板が厚いので重たくて、筋肉痛で困りました。が、完成した後に音楽を聴けばそんな疲れはどこへやら。大満足です。右の写真が完成後、設置した状態です。ホーン開口部にコルクシートを貼ってみました。これは音質にも良いと思うのですが、貼るのは予想外に大変で、コルクシートを開口部にあわせて切り抜くのが大変でした。
また、トゥイーターはローカットフィルターが必要ですが、はじめコンデンサー0.47uFで聴いていたのですが、やや強く、アッテネーターも買ったのでつけようかと考えていたのですが、音質に影響しますし、アッテネーター自体をどこにつけるかで昔からいつも悩むので、困っていました。そんな時、真空管アンプ(後に出てきますが)ようにコンデンサーを買ってきたのが、1桁容量を間違えまして、使えないでいたもの0.22uFがあったので、変えてみたらちょうど良いくらいになりました。0.22uFでは超高音しか出なくなりますが、フルレンジとちょうどいい感じにマッチして聞こえ、気に入りました。また、このコンデンサーは非常に高級なもので、それもあってか音が良くなったように聞こえます。人間、こういった事は良くあって、良いものを使うと変わらなくても良い音に聞こえるものです。でも、趣味にはこういった要素が大切だと考えています。
左がトゥイーターで最近、また気が変わってコンデンサーは0.47uFに戻りました。0.22uFではおとなしすぎるし、0.47Fではうるさいので、間くらいのを今度ためそうと思っています。0.33uFも買ってきてしばらくはこれで満足していたのですが、結局、その後、アッテネーター用の箱をきれいに作ってつなげ、コンデンサーは0.47+0.33uFで-5db位で聴いていますが、また気が変ることでしょう。右はフルレンジですが、昔に比べると外観もカッコ良くなりました(値段も相当上がりましたが)。音には悪いのですが、娘とはたきにやられないようにネットをつけています。フォステクスのフルレンジは紙臭い音で嫌いだと言う方が多いようですが、私は敏感で反応の良い音で好きです。確かに単体むき出しの状態では紙臭いというかぺらぺらの音ですが、ボックスやバッフルにセットすれば問題無い音だと思います。紙臭くないといわれている物はたいてい重たい音で、能率も悪いので私はこちらの方が好きです。ホーントゥイーターとも良くマッチしますし、幅広い音色を出してくれます。まあ、この辺はあくまで個人差が大きく、それだけスピーカーは未完成な装置なのかな、と思います。
長岡先生のスピーカー工作については本が数多く出ていますので、興味のある方は読んでみるときっと作りたくなってしまうでしょう。基本的に入手しやすいものだけで作ることが出来、また、素人でも確実に作れるように親切に設計されていますので、間違いなく良い音が出るでしょう。ただ、目的別にいろいろなタイプが設計されていますので、その説明を良く理解してから作らないと思った音のスピーカーにならないでしょう。何しろ完成品を買うのと違って試聴が出来ませんので。ちなみに、右の写真は完成後のものですが、スピーカーの上にCDラックがあります。これはあまった板を利用し、スピーカーの幅とぴったり同じ幅で作り、設置後金具で連結しました。左右あわせてかなりの両のCDが入り、スピーカーの上面は意外と無駄なので気に入っています。もちろんスピーカーと同じ板を使っていますので、太鼓構造のラックと違い、変な共振を起こしたりしません。昔はオーディオラックも自作だったのですが、家族にあまりにもカッコ悪いと反対されました。今回のは許しが出ました。自作にはこういった楽しみもあります。
なお、木工で塗装をする場合に腕に自身の無い方は必ずつや消し仕上げにすることをお勧めします。ピアノのようなぴかぴかの仕上げにあこがれるかもしれませんが、光沢仕上げははけ塗りでは難しく、しかもたっぷり塗り、ゆっくりと乾燥するタイプの塗料でないときれいな光沢になりません。できればエアーブラシなどの方が良いのですが、埃も目立ちますし、乾く前に垂れてしまったりして難しいものです。その点、つや消しのオイル仕上げ・油性・水性ニスはあまり気を使わなくてもそれなりに仕上がります。ただし、下塗りはつや消しでない方が良いです。はじめからつや消しを塗ると、吸収性の良いところ(切り口など)が粉がふいたようになります。
上の家具はキットを作ったものですが、つや消しのステイン仕上げです。これを鏡面仕上げするにはかなりの環境と工程が必要ですが、つや消しなら3回くらい塗ればOKです。
また、着色したい方はニスなどを塗る前に着色剤で色をつけた方が良いです。色付きのニスなどはむら無く塗ることははけでは不可能です。わかっていながら、私はこのスピーカーを色付きのニスで塗ってしまいました。これは、着色しない予定だったのですが、塗りはじめてからやっぱり濃い色の方が部屋に合うと思い、仕方なく色付きニスを使いましたが、やっぱりむらができてしまいました。広い庭がある方ならスプレーまたはエアーブラシで塗れば良いでしょうが、マンションでは無理でした。皆さんはくれぐれも先に色をつけるかどうかを決めてから取り掛かりましょう。失敗しても剥離剤を使えば取れますが、これは結構悲惨な作業が必要で、体にもあまり良くありません。私はギターとかバイオリンを高校のころによく塗り替えて高級なものに似せていましたが、剥離剤だけはいまだに嫌いです。だいいち、スピーカーはたいてい大きですから。
オリジナルD-50(長岡先生設計)からの変更履歴
・ドイトに木材を買いに行った時に板野厚さ15mmを間違えて18mmにしてしまった。店員さんも気づかず、値段は得したが、設計図と合わなくなる。何とか箱に収まるように調整。
ホーン出口の階段状の部分の枚数などを調整。
効果:頑丈になったと思うが、細部の寸法が設計とかなり異なる。
費用:ちょっと得した?
・ホーン出口付近にコルクシートを貼る。
中高音が吸収されると思う。
効果:聴き比べていないので?
費用:1500円位?
・オリジナルはFE206Σだったと思うが、FE208Σを使用。
売っていないのでしょうがない。値段は高いが、ルックスは良い。
効果:聴き比べていないので?
費用:差額
・スピーカーの余り材を利用し、CDラックをスピーカーの上に乗るように作成。しっかりとモクネジなどで固定。
CDの置場に困っていたが、大量に収納できた。重さもあるので、音にも良さそう。
効果:?
費用:1000円位足りない板を買った
・ハイパスフィルターのコンデンサー0.47uF(フォステクス)をビタミンQの0.22uFに変更。
キンキンした感じが無くなり、落ち着く。
効果:中
費用:アンプ用に買ったのが桁を間違えたので流用(2500円x2?)
・ハイパスフィルターのコンデンサーを0.33uF(トリテック?)に変更。
0.22uFではおとなしすぎたので変更。
効果:中
費用:2200円?忘れた
・パワーアンプとの接続をバナナプラグに変更。
アンプ改造のたびに取り外しても先が痛まないで良い。ルックスも良い。
効果:音は変わらないと思う
費用:2400円位?さくらやのポイントがたまっていたので現金は出なかった
・スピーカーケーブルをドイトで買ってきた物からモニターPCのコブラ(銀メッキ)に変更。
透明感と軟らかさがでた気がするが、それよりも銀メッキがきれい。
効果:中
費用:5000円位?さくらやのポイントがたまっていたので現金はほとんど出なかった
・アッテネーターを取り付ける箱をプリアンプのウッドケースの残り材で作成し、ハイパスフィルターのコンデンサーを0.47uFに戻して組み込み。
フルレンジとトゥイーターの間が中抜けしているように感じたので。
効果:大
費用:4000円位?忘れた
・ハイパスフィルターのコンデンサー0.47uFに0.33uFもパラで追加。
まだ中抜けしているように感じた為。ユニットがこなれてきたのでキンキンした感じが無くなってきた為でもある。
効果:大
費用:前に買ったもの