KONICA FTA
コニカの一眼レフ、FTAをGETしました。TTL露出計により、シャッター速度優先AEを実現したカメラです。コニカは現在では一眼レフから撤退し、距離計連動のヘキサーRFなどが最近の話題になりましたが、なんと言ってもコニカの魅力は定評のあるヘキサー・ヘキサノンレンズではないでしょうか。私も以前からコニカのレンズを使ってみたかったのですが、コニカの一眼レフはフランジバックが短く、アダプターを作るのが困難ですし、現行品ではないので、アダプターのもとになるマウントを探すのが難しく、手が出ませんでした。もっともコニカの一眼レフボディは比較的安く売られていることが多く、その気になればいつでもGETできたのですが・・・。
今回は勤務先の側の高田馬場にあるスズキカメラというお店にはじめて行った時にGETしました。もともとジャンク品で良いから安いものを、と思っていたのですが、話し好きの店員さんとあれこれお話しているうちに、どこかおかしいFTAボディ3000円を出してもらい、ついでにレンズも、とはじめは50mmを出してもらったのですが、古いレンズはやっぱりちょっと長めの焦点距離のほうが描写がいい場合が多いのと、金属ヘリコイドが良い、ということで、52mmF1.8を出してもらい、ヘリコイドが重たいからグリスを交換しないと、とか話していたら、2000円で良いよ、と。合計税込みで5000円でGETできました。もともとシャッターもちゃんと動いてましたし、ジャンクとは言えないような立派なものでした。ボディの傷などもほとんどありません。
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とりあえず、内部を見ようと、軍艦部を外したところです。外すのは比較的簡単で、写真に出ている道具だけでOKです。 |
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露出計との連動にはSRT101のように、紐が使われていました。写真のファインダー接眼部の下に見えるものがそうです。よく見ると、ちょっと経路が変です。 |
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ということで、直したのがこの状態です。誰かが修理しようとしておかしかったのではないかと思います。リールへの巻きつけ回数が1回多かったりしていて、そのままではちゃんとした経路にしてもシャッター速度ダイアルを回すと外れてしまう状態でした。 ファインダーの両脇に測光素子が2つあります。 露出計は一応ちゃんと動いたのですが、H-C型水銀電池2個を使うようで、普通のボタン電池2個ではちょっとずれてしまいました。 |
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ついでにスクリーン・プリズムのクリーニングです。黴たりはしていなくて、簡単に綺麗になりました。ミラーがちょっと汚いのですが、これはファインダーの見え具合にはほとんど影響しないので。モルトはミラーまわりを交換しました。 |
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メカ的には全く異常が無いので、この辺で軍艦部はおしまいです。シンクロも問題無いようです。レンズもヘリコイドにオイルを注した以外は普通のクリーニングで十分です。なお、このレンズは古いタイプなので、開放F値がボディに正しく伝わらず、露出計が狂うらしいです。おそらくちょっと削れば良いだけみたいですが。 フィルム巻き上げレバーは分割巻き上げ不可で、巻き上げ途中では戻すこともできないもっともシンプルなタイプです。 シャッターボタンはAEを実現するために、ストロークが長く、押し込む途中で露出計の針をはさみ、それによってマウント内側の絞り制御機構を動かします。FTAの最大の不評はこの長いストロークだったらしいです。後継機のオートレックスT3では一般的なストロークに改善されたようです。 まあ、露出計は使うかどうかわかりませんし、シャッターが切れる手前で感触がちゃんと伝わってくるので、とくに写す際に問題にはならないと思っています。 |
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一応底も開けてみました。特に何も問題ありません。このカメラは縦走りメタルフォーカルプレーンシャッターなので、スローガバナーなどは底から見えるところにあります。横走りシャッターを見慣れていると新鮮です。 |
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あまりに問題点が少なく、ページが寂しいので、フランジバックの比較でも・・・。 ALPAとコニカです。マウントリングが無ければほぼ同じくらいにコニカもフランジバックが短いのが良くわかります。でもマウントアダプターを作ろうとするとこのわずかな差が重要になってきます。また、ALPAの単純なマウントに比べ、コニカのマウントは自作は結構大変そうです。 |
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我が家でもっともフランジバックの長いニコンとALPAを並べると、本当に同じような種類のカメラなのか、と考えてしまうほどフランジバックが異なります。まあ、これだけの差があればニコンのレンズをALPAに付けるアダプターは腕さえあれば簡単に作れそうですね。 |
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せっかく使えるようになったので・・・もちろん、視度補正レンズが必要なのですが、円形の視度補正レンズはニコンくらいしか現行ではなく、ニコンの一番小さい(?)FE2用でもちょっと大きかったのです。しょうがないのでリューターで削りまくり、ほぼレンズ自体の大きさにまで径を小さくして、ボンドで接着しました。レンズが割れないかとヒヤヒヤものでした。 |
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今度は露出計ですが、せっかく動きそうなので、結局電池アダプターを買ってしまいました。1つ2300円で、2ついるので、なんとボディの値段より電池アダプターのほうが高くついてしまいました・・・。 それから約2時間かけ、露出計の調整をしました。連動用の紐が調整範囲を超えて長かったので、ちょっと細工が必要でしたが、2つの可変抵抗と、滑車の位置の調整を繰り返し、ほぼ満足できる状態になりました。これでシャッター速度優先でAEができます。 |