EXAKTA VX

 一眼レフの元祖と言われる、エキザクタシリーズのVXです。エキザクタは旧東ドイツのドレスデンですが、オランダ資本のイハゲー社は例外的に高い品質を維持したそうです。私がエキザクタを欲しかった理由は単純で、何と言ってもこのデザインです。たまりません。さらにイハゲー社は自社でレンズを供給しなかったおかげでエキザクタマウントのレンズはドイツを中心に各国で作られ、しかもあまり人気が無いおかげで結構安く手に入れることが出来る場合が多いのです。
 このVXはアメリカのインターネット上のオークションで落札しました。日本の中古屋さんでもエキザクタは意外と安いですが、さらに安く入手できました。レンズはシュナイダーのクセノン50mmF1.9です。これもエキザクタマウント以外では結構高い物です。ファインダーはウエストレベルが2つ、アイレベルが1つついてきました。アイレベル用スクリーンも更に1つ付属です。ケースもついてきました。マニュアルとVXUaのパンフレットもついてきましたが、マニュアルはこのカメラより後のバージョンのものみたいです。さすがに手入れはされてませんでしたので汚かったですが、例によってレンズは分解クリーニング。ファインダーなども可能な範囲で分解して奇麗にしました。

 

 エキザクタシリーズは実にバリエーションが多く、VXと言っても5バージョンくらいあるようです。落札してから気がついたのですが、もう少し後のタイプだとシンクロソケットが普通のものだったようでちょっと残念。専用コネクターは見つかりそうも無いので自作しようかと思ってます。

 上から見た写真でわかるようにエキザクタは巻き上げ・シャッターレリーズなどほとんどの操作が左にあります。これがもっともエキザクタが嫌われている原因だと思いますが、実際に使ってみると、それほど違和感はありませんでした。ミラーもクイックリターンではなく、巻き上げるとセットされ、シャッターを切ると上がりっぱなしになります。まあ、これも実際に写真を撮るときには巻き上げるので遊ぶとき意外はあまり気にならないものでした。
 スローシャッターが実に面白い仕組みで、普通のシャッターダイアル(左にある)をTまたはBに合わせ、右にあるセルフタイマー兼用のダイアルでゼンマイを巻き、黒い数字に合わせるとスローシャッターになります。フィルムを巻き上げてからでないとゼンマイは巻いても戻ってしまいます。セルフタイマーとスローを合わせて使いたいときは赤い数字を合わせます。実に面白いですが、相当作動音はうるさいです・・・。VXUaでちょっと静かになったと付属のパンフレットに書いてありました。

 アイレベルファインダーにはスプリットイメージのスクリーンがついていましたが、これがすごい。ガラス製です。コンデンサーレンズに直にマットがすりガラス状態に作られ、中心にスプリットがあります(ちょっと欠けてますが・・・)。作るの大変そうです。今の一眼レフのスクリーンはみんなプラスチックですから。別に全面マットスクリーンもついてきましたが、すりガラスのマットは非常にピントの山がつかみにくいのでスプリットを使った方がよさそうです。
 ウエストレベルファインダーは2つあるのですが、ちょっとタイプが違いました。なぜか片方の方が明るく見やすいのでそちらしか使ってませんが。スクリーンは2つとも全面マットです。このスクリーンがまたまたものすごい!厚さ2センチ以上もあるガラス製です!下にファインダースクリーンを取り出した写真を追加しました。


exakta-w-finder.jpg (22704 バイト)

 シャッターがボディ前面にあるのはアルパやトプコンと同じですが、左にあるのは珍しいです。レンズはマニュアル絞り・プリセット絞り・外部自動絞りなどがありますが、このレンズは外部自動絞りで、レンズにシャッターボタンに連動するものがあり、それを押すと絞り込まれます。なお、このレンズの絞り羽根は何と18枚。絞り開放ではあまく柔らかい描写が楽しめ、絞るとスカッとシャープになり、すばらしいレンズです。

 ボルシーと比べると圧倒的に大きくて重たいのですが、ニコンF4と比べれば少しは小さくて軽いです。今後はレンズをいろいろ試してみたいと思ってます。

vx-plug.jpg (19473 バイト) vx-plug.jpg (19473 バイト)

 私のVXはシンクロソケットが写真でわかるように2つに分かれた特殊なタイプで、少し後のバージョンからの一般的なソケットとは異なり、専用のアダプターが必要なのですが、さすがにそんな物、そう簡単には見つかりません・・・。そこで、作ってみました。単純に2つのソケットを普通のソケットの中心・外につなげば良いのですが、どうせなら耐久性もある程度欲しいと思い、非常に硬くなるパテを使って固めてみました。本物は写真では見たことがあるので、大体同じような形にしました。端子部分に模型に良く使う洋白を使い、そこに市販されているオスのソケット付きのコードを半田付けし、パテで固め、紙やすりで整形後、黒く着色したのですが、自動車のシャーシ用の黒いスプレーがたまたまあまっていたのでそれにしてみました。なんとなく丈夫そうなので。
 一度目は接触がいまいちで失敗、二度目はさすがにしっかり組み立てたのでOKで、ニコンSB-28もそれらしく光ってくれます。試写結果もばっちり。購入したらおそらく5000円はくだらないので、だいぶ得をしたかな?

vx-plug.jpg (19473 バイト) プリズムファインダーのスクリーン、もう少し奇麗なのを使いたいな、と探していたらレチナハウスで見つけました。ただ、現物合わせしてみると一回り小さい。うーん、残念とがっかりしていたら店主のM月さんが現われ、もし加工して使うのならお安くしますよ、とおっしゃってくれたので、喜んでいただいてきました。2枚セットで。実に奇麗なのですが、そのままVXに装着するとおっこちてしまうので、アクリルを使って一回り大きくしてみました。足りない部分はファインダーから見えない部分だったのでとにかく大きささえ大体合えば良かったのです。ただ、問題はガラスとアクリルを接着する方法で、そもそもガラスと他のものを頑丈に接着する方法が分からないのです・・・。一応接着可能なボンドを探してきたのですが、いまいち。どなたか良い方法をご存知でしたら教えてください。
 まあ、一応、ちゃんと使えて、実はコンデンサーレンズとしての度もちょっと弱いみたいで、若干周辺が暗い気もしますが、奇麗なのはうれしいです。


vx-plug.jpg (19473 バイト)VXのファインダーはちょっと遠視気味で、近眼の私にはもちろん裸眼では使えず、メガネをかけてもいまいちだったのですが、ペンタックスLX用(MXに使っている)が何とかはまりそうでしたので、もう一つ買ってきてちょっと削ってみました。見事に装着でき、快適に使えます。裸眼でファインダーを覗ける、というのは重要なことで、何しろ寝る前にカメラをいじって遊んでいるときにいちいちメガネを取に行かなくてすむのが大事なのです!


vx-plug.jpg (19473 バイト)エクステンションリングを買ってきました。いろいろなメーカーのものが有ったのですが、やっぱりボディと同じところのを、とメッキでピカピカのイハゲー社製を買ってきました。一番長くするとこの写真のように、相当すごいカッコになります。間のリングはネジで合体させるのですが、これが結構いいかげんで、レンズの角度が組み合わせによってバラバラになります・・・。まあ接写で速写はしないので多少レンズが変な角度でも問題は少ないとは思いますが。


いつのまにかレンズも揃ってきました。私としては珍しく、広角側が充実してます。アンジェニューの広角レンズは特にお気に入りです。クセノンは乾いた感じの描写ですが、安心していつでも使えるレンズです。


exakta-lenses.jpg (22538 バイト) 4本揃ったエキザクタマウントレンズです。いずれも1本あたり8000円から13000円位。もっとも海外オークションがほとんどなので、日本の中古屋さんで買うともう少し高いですが。ツァイス・シュナイダー・アンジェニューとすばらしい(ブランドに弱い・・・)。



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