小俣光之:オーディオ:真空管アンプ(300B)のページ
5691(6SL7),300B,GZ37
スピーカーを自作した後、6BM8のパワーアンプがものたりなくなり、300Bシングルのキット(オーディオ専科)を買ってきて作りました。上の写真です。真空管もアップで撮ってみました。すっきりした抜けの良い音で満足していました。が、パワーアンプのわずかなノイズ(ジーという)が気になり、300Bは直流点火なので、おそらく原因は6SL7の交流点火しかない!と考え、たまたまLM350(可変3端子レギュレーター)を使った安定化電源のキットがありましたので、組み込んでみたところ、ぴたりとノイズがやみ、大変静かなアンプになりました。しかし、発熱の問題があり、別の方式を悩んでいて、Tetsu Kimuraさんにメールで質問したらすぐに返答がいただけ、教わったとおりでうまく出来ました。Kimuraさんありがとうございます。こうなると、整流管のGZ37も直流点火したくなってきましたが、トランスからの電圧・電流がうまい具合のものがもうないので今のところはあきらめています。
整流管を4U5Gにもしてみたのですが(安いので)、電源ON時のノイズが結構大きく、音は良いのですが、やっぱり傍熱式のほうがゆっくりB電源が立ち上がってこのアンプには良いようです。
プリアンプの真空管をテレフンケンの真空管に変えて音が良くなったのに味を占め、6SL7を変えてみたりもしたのですが、これは安いのを買った為か元の(ナショナル(USA))の方が良い音でした。悪い音のは実はプリアンプに元々入っていたものと同じメーカーなのですが、どうも私の好みに合わないのか、だめです(だめな銘柄は載せない方が良いかな?)。6SL7の高信頼管である5691が欲しくて探したところ、RCAの赤ベースが売っていたのですが、値段が高く、あきらめていたら、ナショナル(USA)の5691が見つかり、茶ベースですが、RCAよりはだいぶ安く2本だけ特売していたので買ってきました。これは見るからに作りがきれいで、交換してみると、これまででもっとも気に入りました。
ナショナル(USA) 6SL7GT あたたかい音・ややノイズが多い
フィリップス(USA) 6SL7GTW 硬い音・増幅率が低い気がする
ナショナル(USA) 5691 すっきりした音・切れが良く、きれい
RCA(USA) 5691 きれいで力強い
ただ、家族に聴かせても「変わった?」という程度です。いつかはRCAの赤ベースも欲しいです。カッコが良いから・・・。ついにRCAの5691を手に入れました。エイフルという埼玉県狭山市にあるお店で見つかりました。やはり赤いベースはかっこいいです。中の作りも手が込んでいるようで、音も気に入りました(が、ナショナルの5691とはそれほど違わない気もします)。ただ、あえて欠点を挙げれば、ヒーターの明かりが全く見えないことで、ガラスは透けているので良く中が見えるのですが、ヒーターはかなり封鎖されていて、明かりはほとんど見えません。また、プレーとなどの作りが大きいためか、電気を入れてから立ち上がるまで時間がかかるようです。そこのお店ではこの玉はいろんな出所のものがありましたが、軍用の箱に入ったものにしました。一般的にはできの良いものが軍に収められていたそうです。コンデンサーもあれこれと換え、楽しんでいます。真空管をかえるのと同じくらい、もしくはもっと変わる気がします。結合部のコンデンサーとバイパスコンデンサーは確実に音が変わります。
今度はお金をためて300Bも交換して楽しんでみたいと思っていますが、家の大蔵省が・・・。説得は大変ですが、テレフンケンに変えたときは彼女でも音の違いがわかりました。娘(もうすぐ1歳)もクラッシックをかけてもエアロビのような不思議な乗りかたで音楽を楽しんでいま す。
その後、いろいろいじりましたが、初段のバイパスコンデンサーをKMコンにしたのと、出力管をWEの300Bにしたのが非常に効果がありました。WEの300Bはあこがれのもので、値段は高いですが、満足度は非常に大きいです。これもエイフルというお店で購入しましたが、ここは税込みで10万円なので、他に比べるとお得です。私の妻にも違いがわかりました。とりあえずこれで当分落ち着けそうです。最終的には信号系はほとんど取り替えてしまいました。でも、MJの8月号を見たら、私のキットの後継機種が発売になっていて、OPTが変わっていました。値段も上がりましたが・・・。
下の写真はアンプにささっていない真空管の皆さんです。でもみんな私の宝物です。
12AX7,12AU7,6SL7GTW,GZ37,4U4G
キット改造の履歴
・初段6SL7のヒーターをブリッジダイオード と3端子レギュレーター(LM350)で直流点火。
ジーというノイズが無くなったが、しばらく使うとLM350が発熱し、保護回路が作動して消灯し、音が出なくなる。
効果:大
費用:手持ちの部品なのでただ(1000円位)
・木村哲さんに相談し、ブリッジダイオードとコンデンサーと抵抗で直流点火。
ノイズも出ないし、発熱も無くなる。
効果:大
費用:1000円位
・6SL7GT(ナショナルUSA)を6SL7GTW(フィリップスUSA)に差し替え。
硬い音になってしまう。
効果:なし
費用:500円x2(たしか・・・)
・入力ボリュームをコスモスに交換。つまみもサイズが違ったので交換。
雑音感が減る。
効果:小
費用:1000円位(?)
・カップリングコンデンサーをビタミンQに変更(高かった)。
切れが良いうえにやさしい音も良く出て、低音部もきれい。
効果:小
費用:2500円x2(?)
・初段をナショナルUSAの5691に差し替え。
切れが良くなり、澄んだ音になる。
効果:大
費用:2200円x2
・B電源・ヒーター電源に高周波ノイズに効くかと思い、小容量フィルムコンデンサーを追加
ちがわない?
効果:?
費用:500円位
・初段のバイパスコンデンサー(マロリー)に銀タンタルコンデンサー(10uF)をパラで追加。
音に潤いが出る。低音の強さが増える。
効果:中
費用:500円x2
・出力段のバイパスコンデンサー(日コン)をスプラグATOMに交換。
透明感が向上。
効果:小
費用:850円x2
・初段のソケットのヒーター端子に直に電解コンデンサー(100uF)を抱かせ、安定化を図る。
ちがわない?
効果:?
費用:手持ち(200円位?)
・初段をRCAの5691(赤ベース)に差し替え。
きれいで力強さもある。
効果:小(ナショナルUSAの5691と比べて)[満足度は大]
費用:6000円x2
・初段周りの抵抗をスケルトン抵抗に変更。カソード抵抗のバイパスコンデンサーをKMコンに交換。
抵抗はあまり変わらない気がするが、KMコンはすっきりした感じになり、大変良い(が、値段は高い)。
効果:大
費用:KMコン=4250円x2、抵抗=1000円
・ついに出力管をWEの300B(再生産品)に変更。これは良い。切れもあるのに厚味もある。
特に中低域はソブテックとはかなり違う。値段は高いが、木箱もカッコ良いし、満足度大。
私の妻がほんとに違うの?といってきたので、差し替えて比較したところ、WEを聴いた後にソブテックを聴くと、「隣の部屋で聴いているような音」と違いに驚いていました。ただ、値段には首をひねっていましたが・・・。
効果:大
費用:10万円